福岡県に本拠地を置く特定危険指定暴力団・工藤会の県内構成員数(準構成員などを含む概数)は昨年末時点で230人と前年より20人減り、過去最少を更新したことが県警のまとめでわかった。別の暴力団も含めた全体の構成員も980人と、1992年の統計開始以降、初めて1千人を割った。
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県警によると、県内の工藤会の構成員数は2008年の1210人をピークに減少傾向が続いている。構成員は山口、千葉両県でも確認されているが、3県分を合わせた昨年末時点の人数は310人。福岡で7割以上を占めている。
県内には工藤会以外にも四つの指定暴力団の拠点があり、23年に最大勢力となった道仁会は240人(前年比40人減)▽福博会120人(同増減なし)▽浪川会110人(同10人減)▽太州会90人(同10人減)だった。全体の数は2007年の3750人をピークに減少し続けているという。
暴力団をめぐっては、県警が構成員の脱退を支援する「離脱支援」を実施し、本人の代わりに組長から組抜けの承認を取り付けるなどしている。昨年は47人が離脱し、最多は工藤会の15人。このうち7人は組長などの幹部だった。ただ、離脱が形式的なものにとどまるケースもあり、県警は完全に決別したと認めるまでは構成員にカウントし続けている。
離脱を希望する構成員の主な理由は、将来への不安や生活困窮、組織への不満だ。組織犯罪対策課は「確実に組織の弱体化が進んでいる。離脱は人生をやり直す第一歩。勇気を持って相談してきてほしい」としている。